
畳の上にどんな家具を置けば、和室が古びず、今っぽくくつろげる空間になるのか。
そんなふうに迷ったまま、せっかくの和室を物置きのようにしてしまっている方は少なくありません。
実は、和室を心地よく見せる近道のひとつがローソファや座椅子で「目線を低くする」ことです。
この記事では、和室にローソファを取り入れるメリットから、合わせやすい高さ・色・素材の選び方、ローテーブルやラグ、あかりとの組み合わせまで、置くだけで真似できる形でご紹介します。
賃貸の和室でも取り入れやすい工夫もまとめましたので、お部屋づくりを楽しみたい方はぜひ参考にしてみてください。
和室は本来、座って過ごすことを前提に設計された空間です。
そこに脚の高い洋風ソファを置くと、畳との間に妙な段差が生まれ、どこかちぐはぐな印象になりがちです。
一方で、座面が低いローソファや座椅子を選ぶと、視線の位置が畳に近づき、天井までの「余白」がぐっと広く感じられます。
この低い目線こそが、和室を落ち着いて見せる大きな要素です。
インテリアコーディネーターの視点では、和室の心地よさは「家具の高さを抑えて、空間の縦の伸びを邪魔しないこと」にかなり左右されます。
ごろりと横になれる気軽さも、ローソファならではの魅力と言えます。
和室づくりは、最初に座る場所の高さを決めると一気にまとまります。
背もたれ付きの座椅子は、ローソファ感覚で使えて畳にもなじみやすい定番です。
畳や床に直接腰を下ろす暮らしに寄り添う一脚で、背もたれがある分、長くくつろいでも体がラクに感じられます。

もう少し和モダンな雰囲気を出したい方には、こちらのタイプも合わせやすい印象です。
お茶を楽しむような静かな時間に似合う佇まいで、畳の上に置いても主張しすぎず、空間に溶け込みます。
「どれを選べば失敗しないのか」が気になる方のために、和室で外しにくいポイントを整理します。
座面が低いほど、畳の落ち着きと一体になります。
背もたれが高すぎると圧迫感が出るため、和室では低めの背もたれを選ぶと窓や障子の景色を遮りません。
ごろ寝もしたい方は、リクライニングできるタイプを選ぶと使い勝手が広がります。
和モダンと相性が良いのは、すっきりした直線基調のデザインと、ベージュ・グレー・生成りといった低彩度の色味です。
派手な大柄プリントよりも、無地に近い落ち着いた張地のほうが、畳や障子のトーンと素直に調和します。
この3点を押さえるだけでも、選びやすさがかなり変わります。
ローソファや座椅子は、単体で置くより「3〜5点のセット」で考えると世界観が完成します。
ここからは、まわりに足したいアイテムを順番にご紹介します。
低い座面には、当然ながら高さを抑えたローテーブルがよく合います。
脚が太くしっかりしているため安定感があり、座椅子に腰かけたまま脚を伸ばしてもゆったり過ごせる設計です。

もう一段、上質な雰囲気を狙いたい方には、石のような質感の天板を持つこちらが選択肢になります。
ラウンドと六角形から選べて、トラバーチン調(=石のような表情を持つ素材のこと)の天板が余白の美しさを引き立てます。
軽やかな存在感で、低い目線の空間に高級感をそっと足してくれます。
畳をそのまま使うのも素敵ですが、ローソファの足元にラグを一枚敷くと、座る場所の輪郭がはっきりします。
い草のふっくらとした感触で、ごろ寝も心地よく、撥水・防臭・防ダニといった加工で日々のお手入れがしやすい点も魅力です。
一年を通して使えるので、季節を問わず和室に置いておけます。
低い座面の暮らしは、補助の座具があると一気に快適になります。
天然素材の温もりを感じたい方には、手編みの円座クッションがおすすめです。
茶室や和室はもちろん、現代的な空間にもなじむ素朴な編み目が、畳の上での寛ぎを格別にしてくれます。
座り心地を重視するなら、低反発タイプも合わせてみてください。
しっとり沈む座り心地で、底付き感が出にくい日本製のクッションです。
カバーは洗えるので、清潔に保ちやすく、来客時の予備としても重宝します。

家具がそろったら、最後に光とグリーンで空気感を整えます。
この一手間が、和室を「ただ片付いた部屋」から「くつろげる空間」へと近づけます。
天井の照明だけだと、和室はどうしても平坦に見えがちです。
ローソファのそばに、低い位置のあかりを一つ足してみてください。
梅の花をかたどった円形のテーブルランプで、やや黄みのあるやわらかな光が、夜の和室をしっとりと包みます。
無段階で明るさを調節できるため、読書のときと、まどろむときで雰囲気を変えられます。
なお、照明器具をお選びの際はPSE認証品を選び、設置場所の安全をあらかじめご確認ください。
和室の余白には、小ぶりの緑がよく映えます。
手入れの手間をかけたくない方には、フェイクの盆栽飾りが扱いやすい選択です。
横に広がる松の樹形が風格を生み、黒い丸鉢が畳の上で落ち着いた存在感を放ちます。
季節を感じたいときには、白い小花の枝物を床の間やローテーブルの上に。
清楚な小花と艶やかな葉が、和モダンの空間に自然な季節感を運んでくれます。

ここまでご紹介したアイテムは、いずれも置くだけ・敷くだけで取り入れられるものばかりです。
壁に穴を開けたり、畳を加工したりする必要がないため、賃貸の和室でも気軽に試せます。
ただし、原状回復が前提となる賃貸物件の場合は、家具の重さによる畳のへこみなどが気になることもあります。
大きな模様替えを検討する際は、念のため家主や管理会社に確認しておくと安心です。
低い目線・木調と直線・抑えた色味という3つの軸さえ意識すれば、ちぐはぐにならずにまとまります。
和室にローソファや座椅子を置くだけで、目線が下がり、畳の落ち着きと天井の余白が引き立ちます。
選ぶときは、低い座面・木調と直線のデザイン・低彩度の色を意識すると失敗しにくくなります。
そこにローテーブル、い草ラグ、クッション、低い位置のあかり、小ぶりのグリーンを少しずつ重ねれば、写真映えする和モダン空間に近づきます。
まずは座る低さを一つ決めるところから、和室づくりを楽しんでみてください。